Tシャツを選ぶときに「オンス(oz)」という表記を目にしたことはありませんか?
これは生地の厚さや重さを示す単位で、オリジナルTシャツを制作するうえで非常に重要な指標です。オンスによって着心地や耐久性、プリントの仕上がりが大きく変わるため、用途や目的に応じて適切な厚さを選ぶことが、満足度の高いTシャツ作りに直結します。
このコラムでは、オンスの意味や違い、選び方のポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。オリジナルTシャツ制作を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
オンス(oz)とは?Tシャツの厚さを表す単位
皆さんは「オンス(oz)」とは何か知っていますか?Tシャツ選びやオリジナルTシャツ制作を検討する際、「オンス(oz)」という言葉を目にすることがあるかもしれません。
このオンスとは、Tシャツの”重さ”つまり”生地の厚さ”を表す指標で、1平方ヤード(約0.84㎡)あたりの生地の重さをオンス(oz)で表現しています。例えば、5オンス(5oz)のTシャツであれば、その生地は1平方ヤードあたり約142gという重さになります。
オンスの数値が大きくなるほど生地は厚手になり、逆に数値が小さければ薄手の軽い生地になります。オンスはTシャツの耐久性、着心地、プリントの仕上がり、さらには価格にも大きく関わってくる重要な要素なのです。
日常着としてのTシャツはもちろん、イベントや販促品、ユニフォームなど用途が多様なTシャツ選びにおいて、この「オンス」という単位を理解しておくことが、失敗しないアイテム選びの第一歩となります。
オンスごとの厚さの違いと目安
Tシャツのオンスには、主に3〜10オンスほどの幅があり、それぞれに適した用途があります。それぞれ代表的なオンス数とその特徴を紹介いきます。
- 3〜4oz(薄手)
- 軽量で通気性が良く、暑い季節やインナーに最適。
- 透け感があり、単体での着用には不向きな場合も。
- 配布用Tシャツやイベント向けに人気。
- 5〜6oz(中厚手)
- 標準的な厚さで、バランスが良く最も一般的。
- プリントの仕上がりもきれいで、用途が広い。
- 「United Athle」などの人気ブランドでも主流。
- 7〜9oz(厚手)
- しっかりとした着心地で、耐久性が高い。
- ファッション性を重視したオリジナルTシャツに向く。
- ストリート系やアウトドア向けにおすすめ。
- 10oz以上(超厚手)
- スウェットに近い厚さ。
- 冬場のレイヤードスタイルや作業着向けに。
オンスが大きくなるとその分、生地が多く使用されるため、価格も高くなる傾向があります。しかし耐久性や高級感、保温性なども向上するため、使用シーンや目的によって適切なオンスを選ぶことが大切です。
オンス別Tシャツの特徴とおすすめ用途
Tシャツを選ぶ際には、オンスによってどんなシーンに適しているかを考慮すると、より満足度の高い選択が可能になります。オンス別に見たおすすめの用途をまとめてみました。
● 3〜4oz(薄手)
- イベントやノベルティ、ライブTシャツ、キャンペーン配布用など、大量発注に適したリーズナブルなアイテム。
- 発送コストが軽く済み、無地でもデザイン性のあるプリントに仕上げやすい。
● 5〜6oz(標準)
- 日常的に着用するカジュアルTシャツに最適。
- プリントTシャツのベースとして定番で、カラーやサイズ展開も豊富。
- 素材もコットン100%やポリエステル混紡などバリエーションが多い。
● 7oz以上(厚手)
- 長期的に使いたいスタッフユニフォームや、洗濯耐性が必要な場面に◎。
- ストリートファッション、アメカジ、ワーク系デザインとの相性が良い。
- インナーが透けにくく、一枚で着てもシルエットがきれいに出る。
ここで注意するべきは【用途や季節、ブランドイメージによって選ぶべき厚さは異なる】ということです。Tシャツは”見た目以上に機能性が求められる”アイテムです。どんなTシャツを作りたいのか、イメージを膨らませておくことが大切です。
オリジナルTシャツ制作でオンスを選ぶ際のポイント
では、実際にオリジナルTシャツを作るとなった時のポイントも紹介します。
オリジナルTシャツの制作において、オンスの選定は成功の鍵です。単にデザインやカラーにこだわるだけでなく、生地の厚さが仕上がりや着用感、耐久性に大きく影響します。
『どの厚さ「オンス(oz)」を選んだらいいの?』と思った場合には、次のポイントを基準に、適したオンスを見極めましょう。
- 使用目的:配布用か、販売用か、ユニフォーム用か
- 印刷方法:シルクスクリーン・インクジェット・転写など、プリントの種類によって相性の良い生地が異なる
- 季節・気温:夏場は薄手が快適、冬場は厚手が防寒に
- ターゲット層:子供・女性・スポーツ向けなど、それぞれに合った着心地を考慮
例えば、販促用のTシャツでは薄手(4oz程度)でコストを抑えるケースが多く、逆にアパレルブランドとして販売する場合は厚手(6.2oz〜)を選んで高品質な印象を与えるのが一般的です。
自作でオリジナルTシャツが作りたい場合には、好きな厚みを撰ぶことも良いでしょう。自分が普段着ているTシャツの中でお気に入りがあれば、同じ厚さで作ることもおすすめです。
厚さの違いで影響が出る?オンスが与える着心地や印刷への影響
Tシャツの厚さ(オンス)は、着心地にもプリントにも大きな影響を与えるものです。
● 着心地
- 薄手(3〜4oz):柔らかく軽い着用感。動きやすく風通しが良い。重ね着にも最適。
- 厚手(6.2oz〜):肌への当たりがしっかりしており、体のラインが出にくい。秋冬に最適。
● プリント仕上がり
- 薄手(3〜4oz):インクの染み込みが強くなるため、細かいデザインには不向きな場合も。
- 中厚〜厚手(5oz〜):インクの定着がよく、発色も鮮やかに。シルクスクリーン印刷に特に適している。
もしもオリジナルTシャツにカラフルで細かいデザインをしたいと思った場合には、中厚手以上のオンスを撰ぶ方が、出来上がりがより理想に近いものとなるはずです。
また、ポリエステル素材を使ったTシャツでは昇華転写などの特殊な印刷方法が採用されることもあり、厚みと素材の組み合わせで最適な印刷方法を選ぶ必要があります。Tシャツにしてみたい印刷方法が決まっている場合には、先に「どのオンスでする方が良いか」を専門の業者に相談しておくこともおすすめです。事前に聞いておくことで安心感も高まります。
オンスだけじゃない!生地選びでチェックしたいポイント
ここまではオンス=厚みについてさまざまな角度からお伝えしてきましたが、オリジナルTシャツを作る上で大切なことは実は他にもあります!
オンスは生地の厚さを示しますが、”Tシャツの快適性”や”デザインの再現性”を高めるには、生地の特性や編み方にも注目する必要があります。
● 素材
- コットン100%:ナチュラルな肌触りと通気性。吸水性が高く、プリント適性◎。
- ポリエステル混紡:速乾性や耐久性があり、スポーツやアウトドア用途に最適。
- タオル地(パイル生地):吸湿性が高く、ルームウェアやリラックスTシャツにおすすめ。
● 編み方
- 天竺編み:Tシャツで最も一般的な編み方。表面がフラットでプリントに適している。
- リブ編み:伸縮性が高く、フィット感重視のアイテムに向く。
- ハニカムメッシュ・ダブルフェイスなど:通気性や立体感に優れた高機能生地。
● カラー・サイズ展開
- 定番の白・黒に加え、オリジナルTシャツではカラー展開も重要。
- United Athleなどはカラーバリエーション・サイズともに豊富で人気。
こうしたポイントを総合的にチェックすることで、オリジナルTシャツの完成度が格段にアップします。
どのオンスを選ぶか迷った時のQ&A
Q1. オンスが大きいほど良いTシャツですか?
- A. 必ずしもそうではありません。
厚手(高オンス)のTシャツは丈夫で長持ちしますが、暑い季節には重く感じたり、コストが高くなることも。用途や着用シーンによって、最適な厚さは変わります。例えば、夏のイベントで大量に配るなら4〜5oz、販売用で高品質を求めるなら6oz以上がおすすめです。
Q2. 印刷にはどのオンスが向いていますか?
- A. 一般的に5.6oz〜6.2oz程度が最適です。
この厚みのTシャツはインクの定着が良く、デザインの再現性も高いため、シルクスクリーンやインクジェットプリントに適しています。薄すぎる生地ではプリントがにじむ可能性があるため注意が必要です。
Q3. 女性や子ども向けには何オンスが良いですか?
- A. 軽くてやわらかい4.0〜5.0ozが人気です。
特にポリエステル混紡素材であれば、速乾性があり快適に着用できます。ただし透け感が出やすいため、カラーやインナーとの相性にも配慮しましょう。
Q4. 無地Tシャツで販売するなら何オンスが良い?
- A. 6.0〜7.0ozの厚手が人気です。
無地で販売する場合は、着心地やシルエットに高級感が求められるため、しっかりとした生地感が重要です。特にUnited Athleなどのブランドでは、6.2ozや7.1ozが定番となっており、一枚でも着映えするTシャツとして支持されています。
Q5. 夏用のTシャツには何オンスが適していますか?
- A. 4.0〜5.0oz程度の薄手がおすすめです。
薄手のTシャツは通気性がよく、着用時のストレスが少ないため、暑い季節に適しています。ポリエステル素材を選べば、さらに速乾性が高まり快適さが向上します。軽量なので発送コストを抑えたい場合にも有効です。
Q6. 冬に着るTシャツは厚手の方が良い?
- A. はい、7.0oz以上の厚手が適しています。
寒い季節は、重ね着しても保温性を保てるような厚手のTシャツが好まれます。10oz近いオンスであれば、インナー不要でトレーナー感覚でも着用可能です。
Q7. 最短で納品したいとき、オンスの選び方に注意点はありますか?
- A. 量産性の高い5.6oz前後を選ぶとスムーズです。
多くのプリント業者はスタンダードなオンスを在庫として持っているため、最短・翌日発送が可能なケースが多いです。逆に特殊な厚さや素材(例:10ozのヘビーオンス、タオル生地)は納期がかかる可能性もあるため注意が必要です。
Q8. コストを抑えたい場合はどのオンス?
- A. 4.0〜5.0ozでコットン100%の無地Tシャツがおすすめです。
価格重視なら薄手のTシャツが有利です。プリント代も抑えやすく、大量注文・短期イベントなどに適しています。ただし洗濯耐性や透け感には注意しましょう。
Q9. スポーツや屋外イベント用には?
- A. ポリエステル素材の5〜6oz前後が最適です
吸汗速乾に優れたポリエステル系のTシャツは、アウトドアや運動時にも快適に着用できます。ハニカムメッシュやドライ素材など、用途に応じた生地構成を選ぶと、機能性が格段にアップします。
Q10. 女性向けに華奢なシルエットを出したい場合は?
- A. 4.7〜5.3ozで細めのサイズ展開があるタイプが◎。
厚すぎないオンスに加え、レディース専用のシルエット(肩幅・ウエストの絞り)を選ぶと、すっきり見えて着心地も快適です。カラーバリエーションも豊富なものを選ぶと、デザインの幅が広がります。
Q11. 学園祭などのクラスTシャツにはどれが最適?
- A. コストと着心地のバランスが良い5.0〜5.6ozがおすすめです。
クラスTシャツは、見た目の統一感やデザイン性に加え、価格も重要なポイントです。5.0〜5.6ozの中厚手Tシャツは透け感が少なく、プリントもきれいに仕上がるため、クラス写真やステージ衣装にも映えます。加えて、豊富なカラー展開やサイズバリエーションがあるため、男女混合のクラスでも対応しやすいのが特徴です。定番ブランド「United Athle」などは納期も早く、最短で翌日発送対応が可能なことも多いため、準備期間が短い学園行事にもぴったりです。
まとめ|最適なオンスで理想のオリジナルTシャツを作ろう
Tシャツ制作におけるオンス選びは、「見た目」「着心地」「耐久性」「価格」「印刷仕上がり」に大きな影響を及ぼします。オンス(oz)は単なる数値ではなく、Tシャツというアイテムの品質や使用シーンを左右する重要なポイントなのです。
特にオリジナルTシャツを制作する場合は、目的やターゲット、デザイン内容、発送の都合、納期(最短で翌日発送など)も踏まえて最適なオンスを選定することが成功の鍵になります。無地のTシャツでもオンスと素材にこだわれば、アイテム全体のクオリティが一段階上がりますよね。
Tシャツはシンプルなようで奥が深いアイテム。厚さを表すオンスの知識を活かして、自信を持ってオリジナルTシャツ制作に挑戦してみましょう!